2018年4月26日木曜日

トマトの話

パスタソースに限らず、様々な料理に大活躍にホールトマト。
カレーに使っている方も多いんじゃないでしょうか。

トマトは煮詰めるほど真価を発揮します。
煮詰めれば煮詰めるほど、グルタミン酸が濃縮され、そこに1%の
塩とオイルを加えるだけで、濃厚な美味しさの万能ソースが出来上がります。

うちはイタリアンベースなので当然トマトにはこだわります。
で、ものすごく沢山のホールトマトを煮詰めて検証してきました。

その結果分かったこと。
クエン酸の入ったホールトマトは煮詰めるほどに酸っぱくなるということ。
当たり前のことですけどね。

まあ、殆どのホールトマトにはクエン酸が入ってますよね。
コストの問題もあってかイタリア料理店でも、気にせず使ってますよね。

でも、クエン酸は煮詰めれば煮詰めるほど、濃縮されるんです。
なので、酸っぱいトマトソースになるんです。

クエン酸を分解しようと思ったら180度近い熱を加える必要があります。
でも、実際にホールトマトに180度の熱を均等に加え続けるのは困難。
油を足して、油の温度を利用して加熱するのも無理があります。
なにより、せっかく弱火でコトコト煮詰めてるのに超強火にしてしまったら
風味が飛んだり焦げたりして台無しに。

ただ、多くの店では、その酸味をうまく利用したり、甘味を足して
酸味を緩和したりしてるので問題ないんですけどね。

でも、うちはトマトのグルタミン酸を濃縮したい。
そして、計算してない酸味は活かすのではなく除外したい。
ということで、クエン酸を使ってないホールトマトを使ってます。

ただ、普通のホールトマトに比べるとお高いんですよね。
トマトピューレやトマトペーストにはクエン酸が入ってないものも多く
それらを使えばいいんでしょうけど、理想のグルタミン酸の
濃縮状態にすると、ソースの濃度がえらいことになってしまいます。
また、ドライトマトを使う手もありますが、それだともっと
コストがかかることに。

ちなみに、うちはカサルのダッテリーニトマト缶を使ってます。
それをブレンダーで潰して、50%以下になるまで煮詰めます。
そして、最後に仕上がり重量の10%のサラダ油と1%の塩を
加えて、もう一度ブレンダーで攪拌します。
すると、真っ赤なソースが、オイルと乳化してややピンクの
トマトソースが出来上がります。
なお、アラビアータなどにはにんにくオイルをブレンドします。

ただ、そこまでやっても、パスタやピザはフレッシュトマトの方が
遥かに美味しくできます。

もうね、今までのはなんやねんって話ですよね。

生食向きのラウンド種ではなく、加熱して美味しいサンマルツァーノや
ロッソナポリタン、シシリアンルージュなどが日本でも作られてます。
でも、一番美味しいのは個人的にはアイコですね。
ただ、同じアイコでも栽培地域、栽培農家、季節によって味が全然違います。
スーパーでアイコがあるからと買ってみても、全然味がのってないものや
水っぽいだけのものなど、ハズレをつかむこともたくさんあるでしょう。

うちは、某所で行われたトマリンピックというトマトの大会で優勝した
和歌山の北農園さんからアイコトマトを取り寄せてます。
もうね、いつも旨味と甘味が安定していて、めっちゃ旨いです。
生食でも美味しいし、加熱しても美味しいというまさに万能トマト。
みなさんも取り寄せてみてください。
きっと、気軽に発送してくれますよ。

話が大幅にそれましたが、カレーにトマトを使うなら
ぜひクエン酸の入ってないホールトマトか、加熱して美味しい
サンマルツァーノ系のトマトを使ってください。
仕上がりが全然違ってきますよ。



2018年3月10日土曜日

食材の保存

 実はうちの店では、肉や魚を特殊な方法で保存しています。他の飲食店ではあまり聞いたことがないので、もしかすると当店のオリジナルな方法かもしれませんが、傷みの早い鶏肉ですら1か月近く保存していることもあります。え?大丈夫なの?という声が聞こえてきそうですが、大丈夫(ただし、真似する場合は自己責任で)なんです。さらに、旨味も増して、肉も柔らかくなるので、長持ちして美味しくなるという魔法のようないいことだらけの方法なんです。欠点は面倒くさいだけ(笑)というそのやり方を書いていこうと思います。

 では、最初に冷蔵庫の温度を0~-1度に設定します。まあ、この時点で一般家庭ではハードルが高いかもしれませんね。これは氷温と呼ばれ、細胞が凍らず、食中毒菌も繁殖しない温度です。家庭用の冷蔵庫でも氷温貯蔵付きのものもありますし、業務用では氷温庫がありますが、当店では冷蔵庫で代用しています。

 氷温の温度は食材によって若干の違いがありますし、氷温で繁殖する菌が全くない訳ではありませんが、とりあえずは、0~-1度でOKです。周りの気温や機械のバイアスによって1度だったり-2度が最適だったりしますが、そこは後で調整を。

 次に冷蔵庫に入る大きさで、できるだけ大きなタッパーを用意し水を張ります。

 そして、きっちり真空パックされた冷凍の肉ならそのままタッパーへドボン。きっちりパックされていないものなら、真空パックするか、サラダオイルで満たしたジップロックに入れて、タッパーへドボン。これでOKです。これは手軽で最強の解凍方法でもあるんです。肉でもマグロでも、この方法だとドリップをほとんど出さずに非常に速い時間で解凍できます。氷温解凍の理論については、ここでは割愛します。

 これをやると、恐らく数時間でドリップを出さずに大きなブロック肉なんかが解凍できていることでしょう。ちなみに、真空パックやジップロックの周りに氷ができているかと思いますが、氷を砕いて食材を取り出すときちんと解凍されているはずです。

 さて、このドボンした食材。いつまで放っておけると思いますか?肉の場合、氷温貯蔵&ウェットエイジング&酸化防止状態となっているので、余裕で2週間以上、もちろんそれ以上放っておけます。ドボンする前に塩でマリネやブラインした肉なんかだと、塩とサラダオイルの効果で、肉の繊維がほぐれ、置けば置くほど柔らかくなります。鶏肉の実験では、1か月半放置したこともありますが、臭みも腐敗も酸化もない、とろけるような柔からさの肉汁溢れる鶏のディアブロが出来ました。

 また、ウェットエイジング効果で多少は旨味も増すようですが、不凍タンパク質が分泌されて旨味が増すという説は、あまり裏付けもないため、まあエイジング効果については過度な期待はできません。

 そして、家庭用の真空パックは若干の酸素が残るため、肉の表面は酸化して黒ずんできますが、オイルパックなら酸化はしません。

 あと、そんなことするより、冷凍したままで、使う直前に解凍すればええやん、という声も聞こえてきそうですが、冷凍のままだと冷凍焼けしますし、さっと使うことができません。でも、氷温貯蔵の場合は、すぐにこまめに取り出して使えますし、肉質の向上にもなるので、冷凍のままよりは利点も多いかと思います。

 ちなみに、魚だと購入前の鮮度が分からず、他にも色々な諸条件があるため、この方法での保存はあきらめてください。ちなみに、魚の保存というより、熟成に関してですが、大阪の福島にあるう越貞(うおさだ)さんが至高ですので、そちらでご確認を。今までの魚の獲れたて神話が崩壊することで有名ですね。

2018年2月19日月曜日

カルフォルニアロール

 お寿司の話。

 海外の人って日本では考えられないような具材をスシロールにして、甘くて辛くて酸っぱい彼らの大好きな味付けで食べるシーンをテレビでよく見ますよね。

 いつぞやに、日米双方の有名寿司店のシェフ対決がありました。そして、アメリカ人のシェフの寿司は、辛くて甘くて酸っぱいソースのオンパレードとアメリカ感満載でした。

 まあ、どちらが美味しいとかは好みだし、どっちでもいいんですが、アメリカ人シェフの「日本は伝統に捕らわれすぎて新しいチャレンジをしない」的な発言…

 寿司、ひいては和食のことがなーんにも分かってないのかな?分かってて発言するならまだしも、ほんと何にも分かってない気がするんですが…

 寿司ってのは引き算の芸術。如何に素材の旨味を引き出すかの一点。だから、シンプルゆえに難しく、奥が深い。対してアメリカの寿司。あちらの料理同様に完全に足し算の料理。色んな味の具材やソースで味を足していって完成させる。なので、ものすごく極端なことを言えば、素材はどうでもいい…は言い過ぎですが、素材の不出来を他の具材や調味料やソースでごまかす料理になってるものも多いんじゃないでしょうか?

 日本の寿司ってのは引き算が大前提。って肝心のことが分かってないから、寿司なんてライスに生の魚をのっけただけの過大評価された料理なんてアホな意見が蔓延するのかも知れません。

 足し算の料理と引き算の料理なんだから、見た目は似てても中身は完全に別の料理ですよね。まあ、アメリカの寿司シェフが、日本の引き算の寿司もいいですが、アメリカの足し算の寿司も色々な可能性がありますよ、ぐらいな発言をしてれば、大いに同意したかもしれませんが。

 日本の歌舞伎や舞台は、登場人物が少なく、主役や脇役の強弱もはっきり。向こうのオペラやミュージカルは多くの役者が登場し華やか。こういうのって料理の性格を表してたりするんですかね?

低温調理の秘密

 当店ではかなり前から、ウォーマーを使った低温調理の実験を繰り返してます。鶏、豚、牛、鴨、羊、鹿などの肉や魚を部位によって区分けし、温度と時間の関係を測定しては、理想の火入れを追求しています。

肉の場合、温度と火入の関係はかなり大雑把ですがこんな感じです。

50~60度:肉の太い筋線維であるミオシンが温度で変性
ミオシンが変性すると、肉に火が入って食べられる状態になります。

60~66度:肉の細い筋線維アクチンが変性を開始する
アクチンが変性すると、肉が収縮し、肉汁が追い出され、食感も固くなります。

68度~ :コラーゲンが加速度的に変性を開始する
肉と脂肪の部分がほぐれて柔らかくなります。というか、煮崩れていきます。

まず、大前提としての火入れの理想は、ミオシンはしっかりと変性し、アクチンは一切変性させない、そして、コラーゲンはしっかり火を入れてほぐすことです。

では、実例として、豚バラで角煮を作ってみましょう。
温度は54度でやります。おっと、ここで「ん?」と思われた方もいるでしょう。
そうです、食品衛生管理の指針として中心温度75度で1分間の条件を満たしませんね。
つまり、低温調理をする=衛生管理の指針を無視ということになるんです。

では、食中毒は大丈夫なのか?豚肉なんて特に危ないんじゃ?と思われるでしょう。
この食中毒原因菌の生存温度をご覧ください。
D値というのは、その温度で最近を1/10に減少させる時間です。
これを見ると、温度耐性のある主要食中毒菌も50度で数時間も加熱すれば、限りなく減少します。
ちなみに、当店で54度で豚バラを低温調理する場合、恐ろしく長い時間加熱しています。

 おっと、その前に調味液の味を豚バラにしみこませます。これは、調味液に豚バラを24時間ぐらい漬け込みましょう。調味液の濃度にもよりますが、それ以上やると浸透圧の関係で肉汁の流出が多くなります。

 次に、調味液を染みこませた豚バラをジップロックに入れ、サラダオイルで満たします。油と肉汁の分子の大きさが違うので、オイルで包み込むことで肉汁の流出を大きく抑えられます。真空パックでもいいのですが、真空だと陰圧が常にかかっている状態ですので、包装が肉を圧迫して肉汁を流出させることにつながります。

 ここで気づいた人もいるでしょう。そう、肉をオイルで包んで加熱するはコンフィの要領ですね。

 そして、肉を常温に戻し、54度設定のお湯にジップロックをドボン。これで、あとはほったらかしです。

 そうそう、もうひとつの注意点。同じ豚肉でも、ロースやヘレの赤身と、バラや肩ロースの赤身は性質が違うんです。ロースやヘレは、同じ54度で加熱した場合、1~2時間もあれば、すぐに火が入り、どんどん固くなっていきます。

 しかし、豚バラや肩ロースの赤身部分は、時間をかけるほど柔らかくなります。これはコラーゲンの量が多いのが理由だと思います。実はこのコラーゲンが、ミオシンやアクチンと同じかそれ以上に重要な低温調理の要素なんですね。

では、54度のお湯にドボンした、オイルパックの豚バラの変化を見ていきます。

1日目(24時間):赤身に火は入ってますが、思ったより柔らかくなってません。そして、脂肪部分は固すぎて、とても食べれたものじゃありません。だって、コラーゲンは68度からほぐれていくので、54度じゃ当然固いままですよね。そうして、もしかしたら低温調理で豚の角煮とかを作ろうと思っても全然あかん!って断念した人がいると思います。

2日目(48時間):あれ?気のせいでもなんでもなく、赤身も油の部分も柔らかくなってきてます。どういうことでしょうか?実はコラーゲンは、54度でも、ゆるやかにほぐれていっているのです。68度というのは、ほぐれが一気に進み始める温度なだけで、それより低い温度でも少しずつほぐれていっているのです。

3日目(72時間):きっとあなたは、今まで食べたこともない衝撃の角煮を食べることになるでしょう。

 一般的なレシピの高温で煮込んだ豚バラは、赤身の肉汁を全放出したあとに、コラーゲンがほぐれます。なので、赤身部分は繊維状にすっとほぐれますがで肉汁が残ってなくてパサついた出来になります。

 ところが、54度で3日間煮込んだ豚バラの角煮。赤身も脂身もプルップルです。お箸で簡単に崩れます。しかも、赤身部分はまるでローストポークのように肉汁たっぷりで、普通に煮込んだ豚の角煮とは次元の違う美味しさです。1日目では固くて食べれなかった脂身の部分もコラーゲンがしっかりほぐれゼラチン状でプルップルです。

 この方法でつくった肩ロースをトンカツにしたら、気絶しそうになるぐらい空前に旨いトンカツができちゃいます。まあ、トンカツにする場合は、そこからさらに色々と工夫がいるのですが。

 普通は72時間もかけて低温調理するなんて酔狂なことはしないでしょうね。だけど、うちの店では当たり前のようにやってます。低温調理器にドボンするだけですからね。楽なものです。

 なお、これは豚バラの角煮(あと、牛スジやスペアリブなども)専用であって、他の肉や部位だと温度ももう少し高くして、部位によっては、早ければ20分、長くても2時間~3時間でやってますので、お間違えなく。

うーん、今回の記事には、通常では分からない、実験を繰り返したからこそ分かるたくさんの価値ある情報が詰め込まれていると思うのですが、果たして、どこまで価値を感じてもらえるかな…

2017年10月17日火曜日

和出汁の科学

少し前から流行り始めた出汁系のカレーですが、日本人には美味しく感じるのは当然でしょうか。きちんと取った出汁は本当に香り高く上品で雑味がなく美味しいですよね。

家庭では出汁の素を使っている所がほとんどだと思います。出汁の取り方って難しそうで…という方も多いんじゃないでしょうか。でも大丈夫!今回は、和食の基本中の基本、出汁の取り方について考えてみましょう。

まず、基本中の基本。昆布とかつお節を合わせる理由。昆布はグルタミン酸、かつお節はイノシン酸というそれぞれ違ううまみ成分を持っています。そして、うまみ成分は2つ以上合わさることで旨さが一気に増すんですね。

で、昆布も、かつお節も、科学的に最適な出汁の取り方について既に結論が出ています。ここではそれをおさらいしていきましょう。

まず、昆布。昆布にも色々な種類がありますが、迷ったら香りも旨味も強い羅臼昆布を使っておけばいいんじゃないでしょうか。

さて、その昆布。60度が一番グルタミン酸が抽出される温度で、80度を超えると抽出されなくなります。そして、30分を超えるとグルタミン酸の抽出も減少してくるので、60度で40~50分あたりで止めましょう。日本料理アカデミーでは60度1時間を推奨しているようです。分量は水に対して1%の昆布。なので、1Lの水だと10gの昆布ですね。なお、温度が高すぎたり、時間をかけすぎると、昆布のぬめりや臭みが出てきますので、ご注意を。

次にかつお節。こちらは、85度でもっともイノシン酸が抽出されます。しかし、香りの抽出は60度~70度ぐらいが適温で、85度だと香気成分が揮発してしまい、香りが弱くなります。なので、追いガツオをするんですね。85度で旨味を抽出し、かつお節を取り出した後、60度~70度で新たなかつお節を投入し、1分程度香りを抽出する。これで、旨味も香りも強いかつお出汁が取れます。

では、おさらい。

1.羅臼昆布の表面の汚れをふき取ります。なお、白い粉は残しておいてください。それはマンニトールといううまみ成分です。

2.お湯1Lを60度にして、10gの昆布を投入し、40分経ったら取り出します。はい、これはなかなか家ではできませんね。そんな場合は、温度計を刺してにらめっこするかAMAZONでANOVAをゲットしましょう。なお、当店ではチョコレートテンパリング用のウォーマーを使ってます。

3.昆布を取り出したお湯を85度まで上げて、かつお節を20g投入します。そして、だいたい5分ぐらいで沈みますので、そうなったら抽出完了の合図。かつお節を漉しま
しょう。漉すときは決して絞ってはいけません。煮すぎたり絞ったりすると、かつお節の乳酸が出てきてエグ味や酸味で台無しになってしまいます。

4.漉した出汁を冷まし、70度に下がったらそのまま火にかけずにかつお節を20g…いやいや、もっとたっぷりと倍の40gでも100gでも好きなだけ投入しましょう。その方が香りが強くなります。そして1分…量が多いなら30秒とか酸味が出ないよう調整してください。そうして、最後にまた漉します。

5.はい完成。科学に裏打ちされた美味しい合わせ出汁の完成です。色々な料理にお使いください。








2017年8月25日金曜日

から揚げの科学 その2

次にから揚げの衣について見ていきましょう。

衣についても、竜田揚げ風の片栗粉ベース、小麦粉ベース、粉そのまま、水溶き、中華風の卵入りなど、色々とあり、それぞれに特徴があります。片栗粉はほぼデンプンなので、カリっと揚がってより早く黒くなりますが、小麦粉はタンパク質も含まれるので、衣はいい色づきになりにくく白っぽいです。さらに、小麦粉は捏ねたり高い温度帯だとグルテンが増えるのでサクサクとはならず、固い衣になりやすくもあります。小麦粉と片栗粉の混合も1つの手でしょう。粒子の大きさが違うデンプンがまざると、デンプンの連結が阻害されてサクッとなりやすいですし、デンプン以外の小さな粒子、例えばパウダースパイスなんかをまぜると、さらにサックリします。

これは好みに応じて配合を色々変えるといいかと思います。

わたしの理想の衣は、竜田揚げっぽいカリカリなのに、花が咲いてサクサクというものです。それを実現するには今のところベーキングパウダーで衣を散らさないと無理なんですけどね。

最後に肉の仕込みですが、わたしの所では24時間ブライニングし、そのあとはオイルで真空パックして氷温冷蔵で熟成しています。

肉を柔らかくするのに色々試しました。タンパク質を分解させるために、パパイヤやキウイに漬けたり、マイタケに漬けたり、ミオラを使ったり、ジャガード入れたりと、まあアレコレやりました。

タンパク質を分解する方法は確かに柔らかくなるのですが、グズグズに溶かす方向で柔らかくしますので食感が悪くなります。

やはり、現段階でベストなのはブライニングすることで肉の内部に塩を入れ、塩の力で肉の繊維をほぐす方法ですね。塩水が肉に入るのでジューシーさも補完されますし、肉の弾力も保てます。ただ、ブライン液につけすぎるとドリップの流出が多くなってしまいますので、24時間漬け込んだ後はジップロックに入れてオイルを注いで空気を抜いて氷温で保存するのがベストです。

肉がオイルに覆われることで、浸透圧の関係からドリップが流出することなく肉汁が中にとどまります。さらに、氷温で保存することで、細菌の繁殖を阻止し、なおかつ肉が熟成して旨味も増し、保存期間もグーンと伸びるという、まさにいいこと尽くし。

たぶん、から揚げでこんな仕込みしてるのはわたしの所ぐらいかも知れませんね。
味付け以外の部分での工夫こそ、簡単に真似のできない部分だと思います。



から揚げの科学 その1

よく、当店のから揚げは美味しいとおっしゃっていただけます。ただ、気まぐれというかもっと他にはない感じにしたいとか、もっと改良したいと思って、最近までコロコロ頻繁に変えていたこともありました。

これ、出すの嫌だなぁってこともあったのですが、今は比較的安定しております。

さて、みなさんはどんなから揚げが好きでしょうか?

わたしが評価するポイントは以下の3点です。
1.肉質(柔らかさやジューシーさ)
2.衣(サクサクorカリカリorふわふわなど)
3.味付け

恐らく、3の味付けを重視する人が多いかと思いますが、わたしの場合、色々なお店に行って食べたときに見るのは1の肉質や2の衣がメインで味付けはあまり気にしていません。

言い換えると、味付けなんて生姜、にんにく、塩、醤油、その他で何とでもなる、つまり誰でも何とでもできる部分なので、プロの技としては評価が控えめになるですよね。

で、やはりプロとして顕著にレベルが表れるのは1と2の部分ではないでしょうか?

まず、肉質。これは、揚げ方にも影響しますし、仕込み方でも左右されます。肉はやはり、旨味が詰まった肉汁を多く残す方が技術的には高いでしょう。理想的には外側の衣と皮の部分はカリッと揚がり、身の部分は弾力がありながらも柔らかくてジューシーな感じでしょうか。

では、どうすれば理想の肉質にできるのでしょうか?
まずは、火の入れ方から見ていきましょう。

肉の火入れで考えると、高温でメイラード反応を起こして香りを出すことも重要ですが、低温でタンパク質のミオシンだけ変性させて、水分を多量に含むアクチンは変性させない温度がベストです。

低温調理の場合、鶏のもも肉だと54度で3時間、58度だと1時間20分がわたしの実験では最適な肉質の状態でした。これが、コラーゲンが多い骨付き肉やたんぱくな胸肉やささみなどの場合、温度帯や加熱時間が全然違ってくるので注意が必要です。

では、から揚げだとどうでしょうか?
わたしも何度かは、低温調理して最適に火が入った鶏肉に衣をまぶし、高温で衣に一気に火を通し、内部には火を通さない方法を使ったりしました。

ただこれ、店で出すには大きな欠点があって、低温調理しすぎると肉に火が入りすぎますので、ほどよい状態でから揚げにする必要があります。しかし、低温調理完了の丁度いいタイミングでから揚げの注文が入る訳もなく、どうしても冷蔵保存することになります。そうすると、冷蔵でせっかくの肉質が縮んでしまうんですね。

なので、やはり生の肉を注文の時点で2度揚げすることで、内部温度をコントロールしてアクチンの変性を抑えた揚げ具合にするのが今のところベストだと感じています。

から揚げの大きさによるのですが、ストップウォッチを使った実験の結果、当店の2度揚げのベストはこんな感じです。

1.180度で1分40秒揚げる 皮目を上にして触らない
2.3分40秒休ませる この間に余熱で中に火が入る
3.180度で50秒揚げる
4.1分休ませる そうしないと熱々でやけどすること間違いなし

これで、必要以上に火を入れず、肉汁を保ち、中まで火を入れることができます。
では、その2に続きます。



2017年8月22日火曜日

エンジニアのカレー学 その3 スタータースパイスの謎

スタータースパイスとは、カレーづくりの最初の工程で、クミン、またはカルダモンやクローブ、マスタードシードなど1種類または複数のホールスパイスを油に入れて加熱する作業に使われるスパイスです。

では、このスタータースパイスの作業の目的はなんでしょうか?
何処をどう調べても、こう書いてあります。

「油にスパイスの香りを移すのが目的。」

はい、きましたコレ。ここで、いっつもひっかかるんです。まさに、学校の授業で、みんなが分かったと言って先に進むのに一人取り残される感覚。
油に香りを移すのが目的?
では、油に香りを移すのは何が目的?

これに回答している話は、どこをどう探しても見つかりません。

きっと、疑問に思っている人もいるはず。
いや、もしかすると、多くの人は、油に香りが移る=カレーの香りを形作るという理解なのかもしれません。わたしは、こういうのが、だめなんです。色んな可能性がある以上、1つの推測を確定させて、理解を補うことができないんです。メカニズムがきちっと把握できないと理解した気にならないので、そこから進めないんです。

さて、では本気でこれを解明していきましょう。

まず、油に移った香りが調理中にどう変化するのか考えてみます。

1.たまねぎ、にんにく、しょうがなどと炒めることで、それらに香りが移る。同時に、香気成分はスパイスからどんどん抜けていき、空気中に揮発するものも多いと思われる。

2.トマトを加えて水分を飛ばす。油に保持された香気成分は水分との界面上で揮発がより進むので、1の工程よりは揮発が進むはず。(検証のためパウダースパイスの投入は無視)

3.水分を加えて煮込む。どっぷり水分なので、2の工程よりも揮発は進むはず。理論上はこの工程でレトロネーザルアロマがかなり香り、部屋はカレーの匂いで充満するはず。

4.完成。さっと食べれば香り高いうちに食べられるかも。しかし、時間と温度でどんどん香りは失われていきますね。いくつかの論文によると、1~2時間で香りの大部分が失われるという説も。

恐らく、インドのようにさっと作ってさっと食べるのなら、香りの損失も気にならないのでしょう。しかし、店でカレーを出すとなったら、そういう訳にはいかず、すべての工程で香りの損失が積み重なります。なので、当たり前ですが、時間とともにスタータースパイスの香りが弱くなるということですね。

というか、そもそもスタータースパイスの油はいわば香味油ですよね。同じ香味油である鶏油も香りが特徴のゴマ油やEXVオリーブオイルも、加熱によって香気成分がなくなるんだから、つかうのは最後って相場が決まってるじゃないですか。

じゃあ、なぜスタータースパイスだけ最初なのか?恐らく、にんにく、しょうが、玉ねぎ炒めるのに油を使うからなのかな。ここで油を使って、最後にスターターオイル油をかけるとなると、油が多くなるから、最初に集約してるのか。まてよ、南インドだと油を最後に入れるぞ。これはアレか?インド人細カイコトキニシナイっていうアレなのか?

とまあ、こんな感じなんですが、誰か明確に回答できる方がいれば教えてください!
わたし個人の仮説としては、スターターオイルもガラムマサラ同様に最後に使う方がいいと考えています。そのために、色々と工程の見直しをしなくちゃいけないんですけどね。

例えばこんな感じ。
1.にんにく、しょうが、玉ねぎ、トマトはそれぞれ油を使わずに水分を飛ばす。
2.ベーススープをつくる。水と塩だけの人はそれで。
3.スタータースパイスをテンパリングする。
4.3と1を合わせ、パウダースパイスを絡めて弱火で香りを引き出す。
5.4と2を合わせて、マサラを振りかけて完成。

どうですか?
これだとスパイス関連の工程が最後に集約されているので、香りの損失は最小限で済みますよね。香りが弱くてお困りの方は、ぜひ一度試してみてください。



料理とエンジニアの関係

科学的に料理にアプローチする分子ガストロノミーについて聞いたことがある人も多いかと思います。エスプーマで食材を泡にしたり、オリーブオイルをイクラのように球状にしたりするアレです。
エルブジのフェラン・アドリアやイギリスのヘストン・ブルメンタールが有名ですね。日本でも大分浸透していて、関西だと菊乃井の村田さん達がリードする関西食文化研究会ってところで勉強会などが開催されています。

この分子ガストロノミー、元エンジニアの私にはピッタリと肌にあってるんですね。今の店舗では、チョコレートウォーマーを低温調理器としてフル活用してますし、エスプーマなんかも、日本でまだ亜酸化窒素が認可されていない時期に、海外から取り寄せて実験したりもしてました。まあ、大抵は実験で満足して中々アウトプットに至らないんですが。

そういえば、元マイクロソフトのCTOつまりNo2のネイサン・マイヤーボールドも科学的なとてつもない料理本を出してますが、技術者が料理にアプローチするとどうなるのかがすごく分かるんですね。勝手に同じカテゴリの人だとシンパシーを感じたり。もちろん、レベルは天と地の差ですが・・・

わたしは、エンジニアの本懐はものづくりだと思っていて、料理はまさにものづくりであり、そこでエンジニアの能力が大いに役立つと確信しています。

例えばトヨタでは車をつくるのに、大野耐一さんが音頭をとって、乾いたぞうきんをさらに絞るといわれるほど、改善を積み重ね、ジャストインタイムという時代をリードしたトヨタ生産方式を確立しました。

このように、ものづくりは、改善や生産革新の歴史です。10日で10万円かけて1つの商品ができたとします。それが、次の段階では、生産工程や部品、調達先の見直しなど色んな知恵を絞って3日で3万円で1つの商品をつくるということを繰り返してきました。

また、日本では昔から職人などの世界で守破離という概念があります。

第一段階 守:肉じゃがを教えられたレシピ通りに忠実に作る。
第二段階 破:教えられた肉じゃがをベースに、具材や調理工程を改善し、より早く簡単に美味しい料理を作る。
第三段階 離:今までの知識や経験をもとに、まったく新しい肉じゃがを作る。または、肉じゃがから進化した新しい料理を作る。

こう考えると、守の段階の人は圧倒的に多く、料理研究家の人たちは破の段階でお手軽レシピを考案し、一流シェフの人たちは離の段階で、新たな価値を生むことを目指し、日々料理をつくっています。

で、わたしは昔から守を疎かにして、すぐ破や離に向かうと怒られたりしました。今ならその通りだと思うのですが、当時のわたしにはあまり分かってなかったですね。てか、守の重要性を認識している今ですら、やっぱり苦手ですね。根っからの破や離のタイプなんでしょうか。

話は分子ガストロノミーに戻りますが、料理の再構築って言葉聞いたことありますか?

つまり、肉じゃがならそれを要素分解し、香りも食感も味もまさに肉じゃがなのに、見た目は高級フレンチ料理のような優雅さに仕上げるとか、そんなことをやるんです。もっと知りたい人はこちらをどうぞ。

例えばカレーづくり。
守のカレー屋さんはインドやスリランカの製法を尊重する、いわば原理主義的な料理で、わたしも大好きです。彼らは現地に行っては研鑽を積み、日本に持ち帰って提供してくれています。真似したいなと思うのですが、守が苦手なわたしには向いてないのかも知れません。

で、わたしが得意なのは、カレーの製法の抜本的見なおしなど。スターターっているの?テンパリングって最適解は?などなど、インドやスリランカの古代から受け継がれるレシピや日本式欧風カレーのレシピにかなり喧嘩を売ったりしています。負けたときは、ああ、やっぱり先人の知恵は偉大なんだなと思ったり、勝った時は、ほら見ろ、これはすごい発見だぞ、とひとりほくそ笑んだり。そんな繰り返しで料理しています。

そんなカレーの再構築についての考察は別途お話したいと思いますので、今回はこの辺で。




2017年8月21日月曜日

エンジニアのカレー学 その2 カレーの香りの感じ方

S&Bのサイトで興味深い実験の話が読めます。
野菜と肉でつくった煮汁を2つのコップに入れて、1つはそのまま、もう1つは、コップの縁にカレーを塗って香りがするようにし、何人かの人に飲み比べてもらった結果・・・

飲んだものは同じなのに、カレーの香りがするだけで、多くの人が美味しく感じたという結果でした。

ともかく、料理に風味はとっても重要だってことですね。
そこで、今回はカレーを食べる時の香りの感じ方をお話しします。

まず、湯気とともに立ち昇り、食欲をそそる匂い。これを料理や日本酒の世界では立ち香といい、学術的にはレトロネーザルアロマと言います。

次に、口に含んだときに、口中から鼻に抜けていく匂い。これはあと香とか含み香とか口中香、学術的にはオルソネーザルアロマと言います。

実はわたし、特にこのオルソネーザルアロマを大事に考えています。カレーの場合、オルソネーザルアロマにも段階があるようで、最初に感じるのがパクチーやカスリメティなどのフレッシュなハーブ類の香りとふりかけたマサラの香り、そして神出鬼没なホールスパイスをガリっとした時の香り、最後に余韻としてスープに溶け込んだクローブなどの深い香り。これで、わたしなどは、ああ美味いなぁと感じてしまうんです。

このオルソネーザルアロマ。感じさせるのが本当に難しい。特に食べる前にレトロネーザ
ルアロマをたっぷり嗅いでしまうと、食べた時にアレッ?となりがち。

なので、食べる前に既にスパイス臭に慣れてきた鼻にオルソネーザルアロマを感じてもらうには、レトロネーザルアロマでは感じられない何かを加えるのもひとつの方法でしょう。それが、食べる直前に振りかけるマサラであったり、粒のまま残っているホールスパイスだったり、上にぶっかけたパクチーやカスリメティだったりするんでしょうね。

あとは温度も大事ですね。ぬるい温度だと、オルソネーザルアロマは弱いままです。揮発量が少ないですからね。

また、時間が経てば経つほど香りが弱くなっていくので、つくったらすぐに食べたいものです。

みなさんもカレーを食べる時は、ぜひオルソネーザルアロマを意識してみてください。鼻に抜ける香りが鮮烈であればあるほど、美味しさも倍増すること間違いなしですよ。


エンジニアのカレー学 その1 香りの正体

カレーづくりにおいて、あなたは何を一番重視してますか?

コクや旨味という人もいるでしょうし、まろやかさとか辛さという人もいるでしょう。
わたしの場合はスパイスが如何に鮮烈に香るか?という点を最も重要なファクターとして考えています。

ドカベンで神奈川を制する者が全国を制するなんてありましたが、カレーの世界では香り制する者がカレーを制すといってもいいぐらいです。

スパイスの香りって難しいんですよね。温度や時間の経過でどんどん揮発していくので、いざ食べる段になると、アレ?香りが弱い?ということも。体調によっても感じ方が変化するし、香りを嗅ぎすぎると、いざ食べる時には鼻が麻痺して臭いしなくなるし・・・

そもそも、香りってなんでしょう?

まず、学術的に言えば香りとは「芳香化合物」とか「香気成分」と言われていて、その大抵が水素や炭素、酸素といった原子で構成されているのです。

この香気成分が料理から揮発して空気中を漂い、鼻の嗅覚受容体にたどり着いて匂いを感じるという訳です。

では、カレーの主要なスパイスのひとつであるクミンを例に香気成分をもっと具体的に見てみましょう。クミンをクミンたらしめている香気成分はクミンアルデヒドといい、化学式はC10H12O。クミンに似ている事で有名なワキガの臭いのスパイシー臭成分がC7H14O3。あれ?違いますね。まあ、クミンにも香気成分は100種以上ようですし、ワキガの匂いも同様でしょうから、複数の香気成分が混合された結果、似たような香りに感じるのかも知れませんね。

話はそれましたが、クローブならオイゲノール、カルダモンならテルピネオールやシネオールなどがカレーにとって、特に重要な香気成分となっています。そうして、これらの香気成分がひとまとまりになってカレー独特の香りと感じる訳ですね。

ところで日本では昔から、各種スパイスを混ぜ合わせてしばらく寝かせることで、バラバラだったスパイスの香りが、まとまってひとつのカレーという香りになるという考え方が主流でした。ところが、昨今ムーブメントを起こしている大阪スパイスカレーでは、あえてスパイス個々の香りを感じさせるという逆の考え方があって、それぞれが主張しあう賑やかな感じが大阪らしいなと思います。

またまた余談でしたね。
さて、この香気成分を純粋に抽出したものが、アロマテラピーなどで使われるエッセンシャルオイルとなります。エッセンシャルオイルはご存知のように揮発性で基本的に無色で油上の液体です。すぐに揮発するので、ふたを閉めて冷暗所の保管しますよね。実は引火性もあって危険物扱いされるものもあるんです。

オイルと名がつくので、油と誤解する人も多いようですが、油じゃないんですね。揮発性の高い液状の物質とでもいった感じでしょうか。でも、油じゃないと言っても、香気成分は油によーく溶けるんです。脂溶性が高いんですね。じゃあ水に溶けないのか?と言われると、厳密には溶けないのではなく、溶けにくいという話なんですね。なお、油によく溶けるのは香りと辛味。ペペロンチーノオイルなんてまさにその代表で、にんにくの香りと唐辛子の辛味が油に溶け込んでますよね。ここで、よくある誤解がひとつ。このアヒージョは旨味が油に溶け込んで美味しい!ってあるじゃないですか?

実は、旨味は油に溶けません。旨味が溶けるのは水です。専門的に言えば、水は+-の電気的な偏りを持っています。つまり磁石のように極性があるんですね。で、塩や砂糖、グルタミン酸やイノシン酸といった旨味成分は同じように極性があるから、磁石のように水とは結び付くんです。でも、油には極性がない。極性がないものは極性がないもの同士で馴染むんです。なので、例外もありますが基本的に、塩や砂糖、旨味は水に溶け、香りや辛味は油に溶けるという事になります。ペペロンチーノの場合、香りと辛味が溶けたオイルと塩気や旨味が溶けた水分がまざりあうことで、美味しいソースになるという訳です。

おっと、また余談でしたね。
なんとなく香りの正体が見えてきましたか?


美味しいスープは2極化する?

最近、ラーメン屋さんに行って感じることがあるんです。とても美味しいのに、人によっては物足りないと言う人もいるんだなということに。これ、欧風カレーしか知らない人が、南インドのサラっとしたカレーを食べて物足りない、つまり、期待していたコクや旨味がないと感じるのと同じ話なんですね。 ...