2018年5月7日月曜日

カレーに出汁は取る取らない?

和の出汁、仏ならブイヨン、伊ならブロード、中華なら清湯や白湯
大抵の国の料理では当たり前のように出汁をとります。
でも、インドなど南アジアでは、出汁は取らないことが多いですよね。

カレーも出汁を取るものもあれば、現地風に出汁を取らない
というカレー屋さんもあります。

ただ、これは取る取らないの二元論ではないんですよね。

味噌汁で考えてみましょう。
水に煮干しを放り込んで、適当な具材を入れてさっと煮て
味噌を加えて火を止めます。
煮干しは具材として食べてもいいし、取り除いてもOK。
味噌汁には十分なイノシン酸が出ていると思います。

イメージとしては、煮干しに残った旨味が50%だとすると
味噌汁に出た旨味が50%となります。
これは出汁を取ったことになるのでしょうか?

では、チキンカレーでは?
出汁を取らずにチキンを煮込んでつくった場合
チキンに残った旨味は40%、スープにでた旨味は60%
こんな感じでしょうか。
チキンは上記の味噌汁でいう煮干しに相当します。
では、これは出汁を取ってないことになるのでしょうか?

鶏を例にすると、フレンチやラーメンなんかだと
より素材の旨味を出すために、鶏を煮込んで残留する旨味を
限りなく0にして、旨味を搾り取った鶏は捨てたり
別の味付けをして食べたりします。

そして、そのスープに今度は、旨味を逃がさないよう短時間
または低温でじっくり加熱した鶏を具材をして加えたり
ダブルコンソメのようにさらに鶏から出汁を絞って
スープに旨味を追加したりします。

数値だとこんな感じでしょうか?
もちろん、煮込み時間などで大きく変動しますけどね。

よくある出汁を取らないチキンカレーの旨味
具材のチキン40%、スープ60%

出汁を取らないポトフの旨味
具材の野菜や肉40%、スープ60%

ダブルコンソメの旨味
スープ200%

鶏ラーメンやチキンスープの旨味
スープ100%、具材のチキン100%

ここから見えてくるのは、出汁を取る取らないではなくて
出汁を浅く取るか、深く取るかの違いがあるということですね。

結局、出汁を取らないといっても、具材からの出汁がなければ
料理として成立しない訳で。

ただ、一番よくないのは、チキンカレーやポークカレーで
煮込みすぎて、具材の旨味がスープに全放出されることです。
そうなると、具材のお肉はコラーゲンが多いと柔らかくジューシーなので
食感で旨味のなさを誤魔化せますが、赤身だとパサパサになって旨味も
何にもない、ただの物体を味付きのソースで食べるなんてことに。

まあ、原理主義でなく、自由に美味しいものをつくろうと思えば
つくる料理に最適な出汁の取り方をすればいい訳で
出汁を取る、取らないに、変にこだわることもないかと思います。

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